お気に入り

朝、駅のホームに上がる一列のエスカレーターに飛び乗り

いつもは駆け上がるのだが…今日は日曜日で混んでいる。

 

自分の前には若い男性が。

 

あれ！

 

ずいぶんと肩にかけているショルダーバッグが古いな！

 

ちょっと塗料が剥げてきている。

 

もともとこのエナメルっぽいブルーいい色だったのだろうな…。ﾎﾞﾝﾔﾘ

 

おや、着ている服は新品っぽいな？

 

靴も新しいぞ！

 

お、前にいるのは彼女か？！

 

そうか、今日はデートなのだな！ｳﾌｯ

 

 

そういう事ならこのバッグは

彼にとってとってもお気に入りなのだろう～な♪

 

 

そういえば自分もお気に入りで、今もって捨てればいいのに時々出しては使っているバックがある。

 

 

随分前のこと...

 

 

買う予定はなくデパートのバック売り場を横目で見なが一度はスルー

 

でも…かわいい感じの変わったバッグを発見！！

 

 

う～ん気になる…。

 

コロンと丸い形状。

 

つい中に入ってじっくり見たくなりまじまじ眺めていると

 

 

店員さんがお尻の部分がかわいいですよ～と

 

いきなりバッグをひっくりかえして見せてくれる。

 

 

お～っなんと♥

 

一か所の穴に全ての皮の生地がググッと入れ込まれている。

 

ググッと！

 

そう…

 

まるでおちょぼ口…いやいや

 

　

つい

 

 

「か、かわいい～♥」

 

 

と声が出てしまった。

 

 

最後に店員さんがたたみかけるように言い放った言葉に不覚にもノックアウト。ﾁﾝ！

 

 

「このバックの皮はカンガルーなんですよ～」

 

 

ヘ――――――――ッ！

 

カ、カンガルーって

 

あのカンガルー？？

 

ぴょんぴょんって。

 

め、珍しい！

 

 

「か、買います！ところで…おいくら？」

 

 

今、バッグは色あせて見た目はもう薄汚れた感じなのだが…

やっぱりお気に入りで…

カンガルーだと思うと…

なおのこと捨てきれずにいる。ﾊｯﾁ～涙

 

本日ご紹介するのは

赤いベレー帽がきっとお気に入り、横顔が愛らしく印象的な少女の作品になります。