今週の展示会は、普段忙しくしている方こそ是非ご来店頂きたいと思うのだ。
静謐な時間の提供をしてくれるであろう「平寛絵画展」が本日より始まっている。
平さんの作品の印象はというと…
静かに自分自身と向き合うことの大切さを感じさせてくれる。
そう…
心の静けさを取り戻させてくれるのだ。
忘れてしまっている何かを…
搬入の雨の降る日曜日に奥様同伴で来店された平さんは
手際よく設営され「終わりました~」と、明るくお声をかけてくれた。
そして「ふたりで喧嘩しながら飾りましたよ~♪」
などと、笑いながら冗談を言っていた。ハハッ笑
そう~♪
平さんは、話すと面白く、と~てもたのしい方なのだ♪
作品が飾られた展示室を見ると
見事に作品がその空間に溶け込んでいた。
とても気持ちのよい居場所になっていた。ウンウン
平さんに展示をお願いしたのは昨年の冬頃
そこから展示内容をご検討頂き
ちょうどのタイミングで奥さまのご実家のある秋田に行かれる予定が入ったらしい。
今回の個展は
さかのぼること8年ほど前に岩手県八幡平を描いた作品から着想を得たものらしい。
それがブログにて公開している作品画像になるのだ。
東北は4月頃にならないと山には入れないという。
この度の個展のモチーフは十和田湖周辺を取材して描かれている。
一面に広がる雪景色は実際の風景そのものではなく
一つ一つ切り取られたモチーフを
パズルのように頭の中で組み立てて出来上がった実際にはない風景だという。
平さんがいつも描く対象は
茫洋とした海、空、水、木々等をモチーフとしている。
眼で見る事は出来ないが
手触りを感じる自然界の雰囲気を表現できるよう努めているという。
自然界は「黙して語らない」世界だ。
雪に埋もれて凛として立つ木々たちの樹齢をつい、考えてしまう。
同時に人間の寿命の短さも…。
「道徳的なことは余り考えていないんですよ~」
と、平さんは軽くおっしゃっているけど…
会場に2点ほど飾られた作品は、あの東北の震災
原発の悲劇を忘れないために描いたというものだ。
冬の虚像と題した今回の作品を描くにあたり
東北という土地の様々な出来事を思い浮かべたという…。
テムペラという古典的な技法で描き出された
やわらかな光に包まれた作品に潜む
つい見逃しがちな何かを感じ取っていただければ…と、平さんは言う。
ご来店頂き、その何かをかんじられたら…
きっと尊い出会いなのだと思わずにはいられない。
そんなことで、どうぞ皆様お越しくださいませ~♪
本日の作品
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=484x10000:format=jpg/path/sd6896240c8856595/image/i05dd337cb97d97f2/version/1569551118/image.jpg)
title : 冬の虚像
artist : 平 寛 / Kan Taira
今まで私は、かたちが在るようでかたちが定かではない自然風景のワンシーン、茫洋とした海、空、水、森の木々などをモチーフとして、その輪郭線をぼかしフォルムの抽象化を図る事により、眼で見る事は出来ないが手触りを感じる自然界の雰囲気を表現できるよう努めてきました。そして、今回の展覧会では、「冬の虚像」と題し、夢の中で見る光のような内部から生まれる風景を東北の風景と重ね合わせたテムペラ画の連作と銅版画を展示します。日常の中に在り、つい見逃しがちな何か、を感じ取って頂けたら幸いです。展示室1にて絶賛開催中!!
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