今週は鹿児島県出身の作家
徳田景さんとカンダイスケさんの展示会が開催されている。
お二人の作品に出会ったのは数年前…
お付き合いの長いお客様がイスケさんの版画を買い求め
その作品を拝見したことがきっかけだった。
昨年の遠矢拓郎さんの個展以来、県外作家様に展示をお願いしたのは2回目になる。
フランスに留学経験のあるお二人の作品は
どこか鑑賞する者の思考を立ち止まらせ
静かに自分自身の内面に向き合う時間を与えてくれるような気がする。
そう…感じ入る作品なのだ。
伺えば、徳田景さんは子供の頃から空の星を眺めることが好きだったという。
星々からギリシャ神話に興味を抱くようになっていったとも…。
とはいえ神話には多くの物語があり
その中でも心に響く内容はそんなに多くはないという。
今回ご紹介している作品はギリシャ神話のアドニスを描いている。
ギリシャ神話をよく知らない自分が説明するのも気が引けるけど…
物語はザックリとこんな感じらしい。
美しい男の子アドニスを二人の女神が取り合った。
芸術の女神の主催する下級裁判所に話がゆだねられることに。
判決はというと、一年の1/3を1人の女神がアドニスと過ごし
1/3をもう1人の女神がアドニスと過ごすことが許された。
そして…
一年の残りの1/3は、アドニス自身1人で過ごしてもいいよ。
と、いうものだったのだ。
でも女神の1人であるアプロデイテは判決を守らなかった。
結局、嫉妬とかいろいろあって美しいアドニスは死んでしまうことに…。汗
そんなアドニスの死と嘆きを忘れないように
アドニスの身体から流れる血に深紅のアネモネを咲かせたというのだ。
アプロデイテはゼウスにお願いした。
毎年の夏の時期は、私の傍にアドニスをおいて下さいと。
そんなことで…
今でもアネモネは夏になると可憐な花を咲かすのだという。
美しい男の子アドニスは、はかないアネモネになってしまったのだ。ウウッ涙
そして同時展示しているカンダイスケさんの銅版画もとても味わい深い。
「夜」をテーマに制作した作品は
どこか懐かしくそして愛おしいと感じさせてくれる。
開催作家のご挨拶文にもあるように
静かに自分の思いを探るような空間が此処にあります。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
本日の作品
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=502x10000:format=jpg/path/sd6896240c8856595/image/i718d8bb96c4489ae/version/1569550984/image.jpg)
title : 瞑目(アドニス)
artist : 德田景 / Hikari Tokuda
德田景絵画展と小さな銅版画(kanda isuke)の二人展です。油彩やアクリル絵具で描いた絵画は、神話や物語を手掛かりにしたものを中心に、今回は「囚われることとそこから出ること」をテーマにしています。小さな銅版画は、ある感覚や情緒を伴った情景を“夜に属するもの”として制作しました。制作はごく個人的なことではありますが、作品を展示することで、その空間が私達にとってはもちろん、訪れる方々にとっても静かに自分の思いを探るような場所となるよう願っています。展示室1にて開催中!
関連する展示会 |
檻と夜 絵画+小さな銅版画 二人展
日程 | 2019年8月20日(火)~8月25日(日) |
時間 | 11:00~20:00 ※最終日17:00まで |
会場 | 展示室1 |
作家 | 德田 景 カンダ イスケ |